福井大学の藤田教授らが天然ヒアルロン酸ゲルナノファイバーの作製についての論文を発表されました。こちらの研究では、当社のNANONとハンディスピナレットを使用していただきました。
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水性PEO支援エレクトロスピニングと熱急冷プロセスを経て作製した生体適合性天然ハイアルロナンナノファイバー
内容を簡単にご紹介させていただきます!
ヒアルロン酸は、がん治療から化粧品まで様々な幅広く利用されています。しかし、利用されているのは化学修飾されたヒアルロン酸であり、安全性への懸念があります。
また、エレクトロスピニング法を利用したヒアルロン酸ナノファイバーは様々な用途で研究が進められていますが、溶媒として有機溶媒を使用するため、医療用途や化粧品への応用へ懸念があります。 今回発表されたヒアルロン酸ゲルナノファイバー作製方法では、化学修飾されていない天然ヒアルロン酸を材料とし、溶媒に水を使用していることから、安全性の高いナノファイバーの作製が可能となります。
ヒアルロン酸のみの紡糸は難しいため、こちらの方法では、紡糸性向上のためポリエチレンオキシドを混合しpHを調整した溶液が使用されています。ヒアルロン酸は溶液を酸性に調整することで側鎖の乖離が抑制されるため、水に不溶性になります。また、酸性条件下では粘度が低下することも確認されています。エレクトロスピニングにて紡糸するために溶液を最適なpHに調整し、加熱急冷、酸処理、水洗浄することで、PEOを除去することができ、ヒアルロン酸のみのナノファイバーを作製できます。
作製されたナノファイバー上で細胞培養を行ったところ、ヒアルロン酸受容体であるCD44が存在する細胞に対して選択的接着性が見られたことから、脳内の細胞周囲微小環境を模倣する培養基質として有用である可能性があります。
また、ヒアルロン酸/PEO溶液にビタミンB2を添加した溶液を、ハンディスピナレットを使用して紡糸にも成功されています。 ハンディスピナレットを使用することで皮膚に直接紡糸可能になるため、創傷被覆材や化粧品用途への応用が期待されています。
ph調整によりヒアルロン酸の紡糸性能を向上できるとのこと、とても勉強になります。
個人的に美容は特に気になるので、お肌に効果的な応用がされることにとても期待しています!
また、今回ご使用していただいた弊社のハンディスピナレットは私も使用したことがありますが、操作が簡単で直接紡糸ができるのでとっても便利です☻
藤田教授には、当社のサイトで装置を使用したご感想もいただいております。そちらもぜひご覧ください。